自作キーボードの作り方

2024-05-15

自作キーボード

40%キーボード(Tercy_rev004)を制作しました。小型、左右一体、親指に複数キーを配置、他の指は3段6列、USBタイプC接続、ケース付がこだわりです。部品はAmazonで調達、基板はkicadで設計してElecrowへ発注、ケースはfreecadで設計して自宅で3Dプリント、としました。調べて初めて知ったこともあるので、自作する人の参考になればと記録を残します。

制作コスト

まずキーボードを自作するのに、いくらかかったかを記載しておきます。前提として工具類(3Dプリンター、半田ごて、ニッパーなど)は使用できるものがあり、半田や電気代等は含めないとしています。また最終版の制作にかかった費用であり、試作にも費用が別途かかっています。

  • 部品:¥14,690(セット購入した分を必要数で按分すると約¥8,348)
  • 基板:$41.25(欲しいのは1枚ですが最小ロット5枚の価格、送料込み)
  • 3Dプリンターのフィラメント:¥3,099(使用した量で按分すると約¥400)

キー配置

キーボード制作で最初に必要になるのが、キー配置(物理的なキーの位置)です。キー配列(どのキースイッチに何のキーを割り当てるか)は後から決められます。

キーボードを自作しようという人は、理想の配置・配列があると思います。今回は左右の親指にレイヤー切替キー(Tri Layer Lower、Tri Layer Upper)を配置して、片指でキーを押した時と、両指でキーを押した時のレイヤーを切り替えるようにトライレイヤーという機能を使用しました。

デフォルトキー配列
デフォルトキー配列
Tri Layer LowerもしくはTri Layer Upperを押している時のキー配列
Tri Layer LowerもしくはTri Layer Upperを押している時のキー配列
Tri Layer LowerとTri Layer Upperを同時に押している時のキー配列
Tri Layer LowerとTri Layer Upperを同時に押している時のキー配列

部品

部品はすべてアマゾンで購入しました。Pro Micorは遊舎工房で売られているPro Micro Type-C版の方が安くていいかもしれません。キースイッチはCherryMX互換の赤軸(※1)、キーキャップは無刻印のDSAプロファイル(※2)2色を使い分けています。ケース用のネジは輸送中に関税で止められたとかで、到着が予定より3週間ほど遅れました。

※1:赤軸=打鍵音が静かなキースイッチ
※2:DSAプロファイル=高さが低いキーキャップ

基板

kicadというフリーソフトを使用して、基板設計を行いました。基板製作の流れとしては次のようになります。

  1. 部品のフットプリントを登録する
  2. 回路図を作成する
  3. 部品を配置する
  4. 回路図に合わせて部品間を配線する
  5. 外枠を決めて、空きスペースをGNDで埋める
  6. 基板データを発注用にエクスポートする
  7. 基板を発注する

詳しくは、kicadを使ったキーボード基板の作り方を準備中です。
参考にkicadプロジェクトも公開しておきます。

ファームウェア

QMKファームウェアを使用しました。プログラムはほぼ記述する必要がなく、自作した基板に合わせるための設定だけで済みます。しかし、そこまで理解するのに時間がかかりました。ネット上に色々と記事はあり動作するプログラムは作成できていましたが、最終的にはgithubでレビューしてもらい2024年5月時点での適切な使い方に修正しました。

githubに作成したファームウェアがあります。
詳しくは、qmk_firmwareの使い方を準備中です。

Remapを利用してキー配列を変える機能も設定だけで対応できます。ただし、Remapへ設定ファイルを登録するところに少しハードルがあります。個人で利用するのであれば、設定ファイルを登録せずにローカルからアップロードする方が楽かもしれません。

ケース

freecadというフリーソフトを使用して、ケースの3Dデータを設計しました。設計した3Dデータは、Ultimaker Curaというフリーソフトで3Dプリントデータに変換します。変換したデータを印刷すれば出来上がりですが、3Dプリンターの特性に合わせて微調整が必要でした。

キーボードを左右分離型ではなく、左右一体型にしたかったため、水平30cmまで印刷できる少し大き目の3Dプリンターを使用しています。freecadは無料で提供されているので感謝しかありませんが、こちらのPC環境(※3)が悪いのか再インストールが何度か必要になりました。
※3:使用しているPCは、Lenovo Ideapad Flex5(Windows11、AMD Ryzen 7 5700U、RAM 16GB)

freecadでのキーボードケース設計も詳しい内容を準備中です。
参考にfreecadプロジェクトも公開しておきます。

仕上げ

Pro Microへファームウェアを事前に書き込んでおけば、基板に部品を半田付けをしてパソコンにUSBケーブルでつなぐだけで使用できます。

左上のESCキーを押した状態でUSBケーブルを接続すれば、ケースを開けずにファームウェアを書き換えることもできます。

自作キーボード

Posted by Tercy